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2009/04/30

[WRC] 2009 第3戦 キプロス

世界ラリー選手権(WRC)
2009年3月13日から15日 第2戦 FxPro キプロスラリー

解説は福井敏雄氏、小林直樹氏。(古賀敬介氏と交替したのかな?)
MCは山岸舞彩さん。

最終順位

1ローブ (Sebastien Loeb)
2ヒルボネン (Mikko Hirvonen)
3P・ソルベルグ (Petter Solberg)
4ソルド (Dani Sordo)
5ウィルソン (Matthew Wilson )
6ロウテンバッハ (C. Rautenbach)

混合路面のラリー。DAY1はターマック路面をグラベル用タイヤで走る。ブレーキ容量が小さいので難しい。
DAY2, 3はグラベル。

P. ソルベルグはシトロエン・クサラを使用してノルウェーからの参戦になる。。スバルのころよりも成績が上がっている。P. ソルベルグの3位獲得と、ローブのWRC 50勝という2つがトピックス。

DAY1
グラベル用で走るので「たわむ」(福井氏)らしい。ローブ「温度が高いとゴムが柔らかくなってふらつく。使っているとタイヤがすり減ってターマック用に近くなるのでその方がいい。」
H. ソルベルグが一般人の車にぶつかる事故でリタイア。

リピートステージではインカットした影響で砂利が路面に乗り、滑りやすくスピンする車もいる。
「ミックスラリーは禁止されているのだがキプロスは特例。」福井氏。

終了後の順位は、ローブ、ソルド、ヒルボネン。


タイヤの問題
グラベル用でターマックを走る。ローブはシェイクダウンのときから、使用済みタイヤで走ることを考えていたらしい。

DAY 1終了後、チームはセッティングをグラベル用に変更。

DAY2
前日の夜に雨が降った。ローブは降雨をある程度予想し、「ドライなら1分のタイム差は足りないかもしれないが、完全なドライコンディションにはならないだろう」と前日のインタビューで語っていた。

ラトバラが深いくぼみに転落。観客に押してもらって復帰。
「1キロ行って観客を連れて来て手伝ってもらった」とラトバラ。ここでラトバラが自滅し、フォードのローブ包囲網は崩壊。

午前中は路面が湿っている。
「湿っていたので一番手スタートでも問題なかった。午後も少し湿っていて欲しい。」ローブ。
午後は路面が乾いて埃っぽくなった。
「ほこりを浴びながら写真を撮るのがキプロスらしい」小林氏。

P.ソルベルグについて
「元気がよくて攻めている感じ」小林氏。「長い間苦しんだけれども、ドライバーとしては非凡」福井氏。SS10,11でトップタイムをマークした。チームは「小さいアットホームなチーム」(小林氏)で「メーカーの縛りがなく、自由気楽に走れている。」福井氏
ソルベルグはコメントで「最高だ。自分はリスクを負ってWRCに出場している。トップタイムが取れてスポンサー、チームに励みになる。」


DAY3

SSが3つしかない。山の天気が不安定で道路は泥道になっている。
P.ソルベルグはエンストしてしまうがそれでもソルドよりも速いタイムを出した。

ノビコフの車に観客から投石がありフロントグラスにひび。その直後に車はコースアウトしてリタイア。
投石とコースアウトの「直接の関係はないと思う。」福井氏。

SS13でP.ソルベルグはソルドを逆転。5位はセバスチャン・オジェとマシュー・ウィルソンとの争い。オジェが一旦はリードした。その後オジェのコースアウトとリタイアによりウィルソンが浮上した。

ウェブサイトへの取り組み
WRCはwebsiteへの広報を強化している。

youtube
twitter
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を使って公式ウェブサイトの更新情報や動画を公開する試みを開始。動画にはTVでは見られない画像がアップされており興味深い。

2009/04/28

[MotoGP] 2009 第1戦 カタール

MotoGP 第1戦 カタール ロサイルサーキット
2009年4月13日,14日
G+

2009年シーズンのルール変更によりタイヤはブリジストンのワンメイクに変更され、さらに使用可能なタイヤが前8本、後12本に減少。タイヤはAスペック、Bスペックの二種類のコンパウンドが半数ずつ。これを予選から使用することになると実質使用可能なタイヤ本数は多くはない。

125cc

1アンドレア・イアンノーネ(A. Iannone)Ongetta Team I.S.P.A.
2フリアン・シモン (J. Simon)Bancaja Aspar Team 125cc
3サンドロ・コルテセ (S. Cortese)Ajo Interwetten
20中上貴晶Ongetta Team I.S.P.A.
27小山知良Loncin Racing

実況:右松健太
解説:坂田和人

8PMスタート。フリアン・シモンが250ccから125ccに復帰。一方、ディメリオとタルマクシが250ccに移行。また、ルーキーが9人新規参戦。イアンノーネがスタートを決めてトップに立つ。チームアスパーのスミスとシモンは後ろに下がる。3周目にシモンが2位にあがる。4周で雨で中断しそのまま順位確定。

ポイントは半分に減算。

250cc

1ヘクトル・バルベラ(H.Barbera)Pepe World Team
2ジュール・クルーセル(J. Cluzel)Matteoni Racing
3マイク・ディメリオ (M. Di Meglio)Mapfre Aspar Team 250cc
4青山博一Scot Racing Team 250cc
12富沢祥也CIP Moto - GP250

実況:中野謙吾
解説:坂田和人

天候のため、スタートはディレイし、周回数は13に短縮された。雨を待つ間に坂田氏が富沢選手評を「元気が良いライダー。年上の人にも物おじしない。やんちゃなライダー」
青山選手は予選2位からスタート。

1周目でパッシーニが転倒。ホールショットは青山だったがバルベラがトップを取って一周目をクリア。
青山選手は路面コンディションが変わっているため攻めきれず9位から11位あたりに後退。

4周目でクルーセルがトップへ。2位にバルベラ。
デボンとラタパー・ウィライローが3位以下の蓋をする形になり大集団で、残り5周まで固まって走行した。
デボンがミスをして後ろに下がったことで3位以下の選手はペースがあがり最終周へ。

青山は7位から最終ストレートでスリップを使って4位まで一気に上がった。
青山選手「コンディションが変わって攻めきれずくやしい。チームが変わって初めてのレースで4位は悪くない。」
富沢祥也選手「初めてのレースで走りきって4ポイント取れたのでまずまず。」

MotoGP

1ケーシー・ストーナー(C. Stoner)Ducati Marlboro Team
2バレンティノ・ロッシ(V. Rossi)Fiat Yamaha Team
3ホルヘ・ロレンソ (J. Lorenzo)Fiat Yamaha Team
15高橋裕紀Scot Racing Team MotoGP

実況:寺島淳司
解説:宮城光

日曜日はチームとDornaが話し合い順延を決定。MotoGP初の月曜決勝。
グリッドは、ストーナー、ロッシ、ロレンソ。高橋は17位からスタート。

スタートからストーナーがリードしロッシが追う展開。ロッシは中盤までストーナーとの差を詰めていったが、途中でタイヤがきつくなったかペースをコントロールし2位を確保。

3位以下では、序盤はドビツィオーソとロレンソの争い。ドビツィオーソはロレンソ、エドワーズにパスされて5位に。

デ・アンジェリスがペドロサの左側から当たってしまう。このせいでペドロサは8位まで後退。ペドロサは左側に負傷しているので影響があるだろう。デ・アンジェリスはチェッカー後にガス欠になってしまい、バイクを止めて高橋のバイクの後に乗ってチェッカーまで戻ってきた。

カワサキ撤退後にカワサキのバイクを走らせるHAYATE レーシングのマルコ・メランドリは最初の周回でコースアウトした後、挽回して14位。

高橋「前半は混戦を抜けられなかった。後半はバイクにもなれてトップと変わらないタイムで走れた。」

2009/04/25

[WTCC] 2009 Round 1,2 ブラジル

世界ツーリングカー選手権(WTCC)
2009年3月7,8日 クリティバ
GAORA

実況:ピエール北川
解説:木下隆之

2009年はシボレーが新車を投入。
BMWは参戦発表がぎりぎりまで遅れており、チームドライバーの入れ替えがあった。
フェリックス・ポルテイロがインデペンデントに降格。
セルジオ・フェルナンデスがワークスに昇格。
ポルテイロの降格は「屈辱的、というか、言葉は悪いが君はだめだと言われたようなもの。これを糧に上がってくることもある。」木下氏。

ホンダアコードで参戦していたN TECHNOLOGYは会社が清算されたため参戦中止。「無限はエンジン開発を継続してもよいと言っていたので、どうかなと思っていたのだが…」木下氏。

ロシアのLADAは今年も参戦継続。

RACE 1 (14 Laps)
最終結果


1イバン・ミュラー(Y. Muller)SEAT Sport
2ジェネ(Gene)SEAT Sport
3リデル(Rydell)SEAT Sport
4タルキーニ (Tarquini)SEAT Sport
5ファーフス (FARFUS)BMW Team Germany

ポールポジションはイバン・ミュラー。

スタート直後の第1コーナーで、プリオール、メヌ、ヨルグ・ミュラーが当たってクラッシュ。上位4台はセアトに。
6周目にダステのクラッシュでセーフティーカー導入。

イエロートレイン健在

昨年後半からセアトのTDIの速さが頭一つ抜けたような感じだった。その状況は2009年も変わらないようだ。

RACE 2

最終結果

1タルキーニ (Tarquini)SEAT Sport
2リデル(Rydell)SEAT Sport
3ジェネ(Gene)SEAT Sport
4イバン・ミュラー(Y. Muller)SEAT Sport
5ヨルグ・ミュラー (J. Muller)BMW Team Germany

リバースグリッドでポールポジションはBMWのフェルナンデス。

雨でスタートがディレイし、セーフティーカースタートから2周してローリングスタートに変更された。
BMWがスタートこそ前にいたのだがセアトが8周目ぐらいまでには前に出た。

5位に入ったヨルグ・ミュラーは21位から追い上げて5位。

サクセスバラスト
2008シーズンのサクセスバラストは車ごとだった。2009年は車種に対してかかることになった。これはセアトのぶっちぎりの速さに対してのハンデという意味。車種に対してのハンデというと数年前の日本のスーパーGTでのウェイトハンデを思い出させる。このときは、チームオーダーがすごくてウェイトを下ろすためにわざとゆっくり走らせるチームがあった。WTCCの場合はどうだろうか。

この2レースではセアトが相変わらずの速さ、ということになった。

2009/04/22

竹内慎司 「ソニー本社六階」

ソニー(株)の経営企画や事業部での勤務での経験をまとめた一冊。暴露本的なタイトルだが、実際には日本に限らず企業のどこにでもある問題がソニーにもあった、と言うに過ぎず、過剰な内部情報はない。

驚いたことはいくつかある。たとえば、実質無借金経営だったソニーが映画事業の「無駄遣い」によってかなりの短期間で膨大な借入金を抱えることになっていたことや、これによる赤字が株主へのレポートではかなりぼかされたものになっていたこと、ISP事業に絡むトラッキングストック発行が実はすぐれた施策ではなかったこと、などなど。世間の評価とのギャップが大きかったのだ。

O(とアルファベットの仮名で呼ばれるが、簡単に特定可能なので意味がないような)社長以下の経営体制の中で著者の言う「モラル・ハザード」を抱えていく様子は、どこの会社でもありそうな(というか、むしろ、経済小説などで繰り返し書かれているような)ことであり「特異な」問題ではなかったのではないか。
著者はO社長の言動には割と批判的で、6億円の退職金を受け取ったことについても疑問を投げかけている。

本書のamazonでのコメントを見ると、同業他社勤務経験者と称する人が、どこも同じようなものだ、と書いていた。それが事実かどうかはわからないのだが、似たようなことは日本だけではなく世界中の企業で起こっているのではないだろうか。だからこそ、数少ない成功例が特別に注目を浴びるのだし、「不機嫌な職場」のような本がベストセラーになることもあるわけだ。

「ソニーが特異な会社だ」と思いこむ日本社会の「特異性」の原因は何なのだろう、と、それがひっかかる一冊ではある。

この出版社が今は存在しないようで、中古本のみでしか入手できないようだ。

2009/04/21

[SBK] 2009 第2戦 カタール

世界スーパーバイク選手権(SBK)
2009年3月14日 カタール ドーハ Losail International Circuit
JSPORTS ESPN
実況:高柳謙一
解説:八代俊二

日本から参戦している選手のうち三人のインタビューが放映された。

加賀山就臣選手:課題はマシンの条件をすばやく合わせること。目標はチャンピオン。
中野真矢選手:心機一転がんばります。
清成龍一選手:CBR二年目でよくなっていると思う。速いライダーが増えた。

玉田誠選手は予選で転倒、足の親指を骨折して出場できず。

気温は27度。「あけあけのコース」八代氏。コースの周囲の芝生は人工芝。

ポールポジションは、ベン・スピーズ(ヤマハ)。

Race 1
結果順位

順位選手チーム
1スピーズ(Spies)Yamaha WSB
2芳賀紀行Ducati Xerox Team
3ビアッジ(Biaggi)Aprilia Racing
4中野真矢Aprilia Racing
5チェカ (Checa)HANNspree Ten Kate Honda
6バーン (Byrne)Sterilgarda
7サイクス (Sykes)Yamaha WSB
8レイ(Rea)HANNspree Ten Kate Honda Racing
9コーサー (Corser)BMW Motorrad Motorsport
10ラコーニ (Laconi)DFX Corse
22加賀山就臣Suzuki Alstare BRUX

Lap 2で加賀山選手がコースアウトしてグラベルで転倒。「アウト側の玉砂利が深い。粒が大きいのでハンドルを取られる。」八代氏。
先頭の5台は、ビアッジ、芳賀、スピーズ、中野、シュムルツ。
スピーズはスリップを使って、先頭に立ち、どんどん離していく。芳賀はビアッジと最終ラップはバトル。

スピーズはスリップを使って抜くのがうまく、勝負強い。


Race 2
結果順位

順位選手チーム
1スピーズ(Spies)Yamaha WSB
2芳賀紀行Ducati Xerox Team
3ビアッジ(Biaggi)Aprilia Racing
4清成龍一Ten Kate Honda Racing
5サイクス (Sykes)Yamaha WSB
6ノイキルヒナー(NEUKIRCHNER)Suzuki Alstare BRUX
7中野真矢Aprilia Racing
8レイ(Rea)Hanspree Ten Kate Honda Racing
9コーサー(Corser)BMW Motorrad Motorsports
10チャウス(XAUS)BMW Motorrad Motorsports
15加賀山就臣Suzuki Alstare BRUX

シュムルツがピットスタート。

ビアッジがホールショット。その後を芳賀、スピーズ。芳賀はビアッジをかわしてトップ。しかし、引き離すことができず、5周目でスピーズにトップを奪われる。その後、スピーズは2位以下に2秒以上の差を付けてチェッカーまで独走。
芳賀、ビアッジ、清成の2位集団は最終周まで芳賀・ビアッジのバトルがあり、最終ラップで芳賀がビアッジを抜き返して2位チェッカー。

「去年の芳賀はヤマハに乗っていてドゥカティに抜かれていた。今年はドゥカティに乗っているとヤマハに抜かれて、そんなはずじゃなかった、というような気持ちだろう。今年のヤマハのマシンは速いということ」八代氏。

中野選手とノイキルヒナーのタイム差は0.002秒。

アプリリア

V型4気筒エンジンで再参戦。出る早々こんなに早いとは予想していなかった。MotoGPの参戦はしているので車体のノウハウがたまっているはず。それを活用したからかもしれない。(八代氏)2レースとも3位になり、ビアッジは自信を深めた様子で、改善すべき点はたくさんあると言いつつも、今後もっと上に行ける手ごたえをつかんだようだ。

優勝インタビューでは芳賀選手が「スピーズが10歳若くて負けた」というようなことをちらっと。「バレンシアは好きなサーキットなので負けない」と。

ファブリツィオ不調
race 1では何かのトラブルか転倒で完走できず、race 2でも途中でピットインして再度スタートしたが、リタイア。同僚の芳賀が速いことを考えるとバイクが遅いということはなさそう。ただし、同じチームでもどちらか一方にトラブルが集中するということはあるので、芳賀が好調な分、ファブリツィオにトラブルが集まっているのか?

スピーズ二連勝

前戦から通算で三連勝している。2回の優勝インタビューでは、パスした後は頭をさげて走った、と。
コーナーでは体を内側に寄せて、マシンはあまり寝かせないスタイル。タイヤのエッジが減らないので持ちが良くペースを保つのに有利になる。ヤマハのマシンの性能と共にスピーズのデビューイヤーでの速さは予想以上。

芳賀選手が二レースとも二位のため、ポイント差は10ポイント縮まった。

2009/04/09

[NASCAR] 2009 第4戦 アトランタ

NASCAR
sprint cup シリーズ 第4戦 Kobalt Tools 500
2009年3月8日 アトランタ・モーター・スピードウェイ
1.5マイルを325周 500マイル
バンクはターンで24度、ストレートで5度。ピットウィンドウは54から58周。

放送:G+、解説:福山英朗氏。実況:福徳一志。

最終順位

カート・ブッシュが終始好調な車で優勝。前戦のカイルと兄弟で連続優勝。カイルが勝ったので自分も頑張らないと、というコメント。
国歌はRitchie Macdonald


順位ドライバーゼッケン
1カート・ブッシュ (Kurt Busch)2
2ジェフ・ゴードン(Jeff Gordon)24
3カール・エドワーズ (Carl Edwards)99
4ケビン・ハービック (Kevin Harvick)29
5ブライアン・ビッカーズ (Brian Vickers)83
6クリント・ボーヤー(Clint Bowyer)33
7ケーシー・ケイン(Kasey Kahne)9
8トニー・スチュアート(Tony Stewart)14
9ジミー・ジョンソン (Jimmie Johnson)48
10マーティン・トゥーレックス ジュニア (Martin Truex Jr.)1

ジョージア州出身のドライバーは
ビル・エリオット (Bill Elliott)
リード・ソレンソン (Reed Sorenson)
デビッド・レーガン(David Ragan)

トゥーレックス ジュニアは前日に結石の除去手術をしての出場。

レースの大勢を決めてしまったのは人がコースに入ったことによるコーション発生のタイミングだった。マルコス・アンブローズのクルーが転がったタイヤを追いかけて、コースの内側の芝生にまで行ってしまい、危険という判断でイエローが発生。
このとき、アンダーグリーンでのピットインが始まっていてすでにピット作業を終えたドライバーたちも数多くいた。これらのドライバーはコーションラップ中に入ったドライバーに比べると1周損をしたことになってしまい、この時点で周回遅れになる。

ピット後はトップと同一周回は13台にまで減少。この後のイエロー発生の度に、ラッキードッグパスで一台ずつリードラップに戻る。

169周目近辺でもアンダーグリーンの最中にイエローが発生し、また周回遅れが出る。デイル・アーンハート ジュニア(Dale Earnhardt Jr.)は車が一貫してルースでペースが上がらず周回遅れになるが、ラッキードッグで戻る。

「ジュニアのクルーチーフのトニー・ユーリー・ジュニアは古いタイプのクルーチーフなので、あまり成績が上がらないと替えられる可能性がある。今はコンピューターを駆使してエンジニアリングを極める方向に進んでいる。たとえば、ジミー・ジョンソンのクルーチーフのチャド・カナウスがそう。トニー・ユーリージュニアはちょっと違う。」福山氏。

カート・ブッシュは終始トップ集団にいる。ピットアウトで他車に抜かれることもあるのだが、周回を始めると追い抜いてトップを取り返す。

オーナーズポイント
予選通過の35位に入るかどうかは今後のレースでは重要になる。今の順位だと、
35位 マーク・マーティン
36位 スコット・スピード
「マーク・マーティンはこんなに悪かったんですね。大活躍している印象があるけれど。」

終盤戦は燃費走行
残り55周でのコーションではカート・ブッシュがステイアウトし、その後はトップを守りつつ燃費走行に入る。エドワーズもスイッチを入り切りしてエンジンを止めたりしている。このままだと燃料が持つかどうかという距離。ところが、残り4周でイエローが発生し、周回数が伸びるとともにグリーンホワイトチェッカーに移行。トップグループもピットインし、エドワーズは2タイヤ交換でギャンブルに出た。この効果でピットアウト1位だったが、カート・ブッシュがここでも抜き返してトップでチェッカー。2位はエドワーズをパスしたジェフ・ゴードン。

ジュニアは11位。

ハイスピードコース
「第4ターンの出口の中段で見たことがあるのだが、中段なのにタイヤカスが飛んできて、白いTシャツに黒い点がついた」福山氏。シリーズ中でも屈指の高速コース。

2009/04/07

[NASCAR] 2009 第3戦 ラスベガス

NASCAR
第3戦 SHELBY 427
2009年3月1日 ラスベガスモータースピードウェイ
1.5マイルを285周 427.5マイル
バンクはターンで20度、ストレートで9度。
Goodyear社がタイヤを新しく開発したので、トラブルはないだろうとのこと。
放送:G+、解説は天野雅彦氏。実況は藤田大介アナ。

最終順位

カイル・ブッシュは地元で初勝利。トヨタも初勝利。
カイルは43位から1位。クリント・ボーヤーが37位から2位。

順位ドライバーゼッケン
1カイル・ブッシュ (Kyle Busch)18
2クリント・ボーヤー(Clint Bowyer)33
3ジェフ・バートン (Jeff Burton)31
4デビッド・ルーティマン(David Reutimann)00
5ボビー・ラボンテ(Bobby Labonte)96
6ジェフ・ゴードン(Jeff Gordon)24
7グレッグ・ビフル(Greg Biffle)16
8ブライアン・ビッカーズ (Brian Vickers)83
9ジェイミー・マクマーレイ (Jamie McMurray)26
10デイル・アーンハート ジュニア(Dale Earnhardt Jr.)88

カイル・ブッシュとカート・ブッシュの兄弟はネバダ州出身なので、ラスベガスは地元レース。NASCARではほとんどのトラックはシーズンに2回レースがあるがラスベガスは1回しか開催されない。従って勝つチャンスが少ない。

今回は冠スポンサーはキャロル・シェルビー(Carrol Shelby)という車の設計などをする人が経営する会社。市販車をベースにしたデザインなので日本で言うと光岡自動車みたいな感じかも?しかし、レースの冠スポンサーを一回できるだけの規模の会社、ということだろう。コースのオーナーとも友達なのでここで開催するのだとか。
周回数も伸びて400から427へ。427はアメリカでエンジンの大きさを表すときによく出てくる数字(立方インチ)なので、車会社のシェルビーをスポンサーにするのでちょっとシャレになっている。ペースカーはシェルビーによる最近の製品であるコブラを使用する。

国歌はラスベガスでロングランしているミュージカル JERSEY BOYSのキャストによるコーラス。
シェルビー氏が"Start Your engines."のご発声。

予選後にトヨタ車はエンジンを交換したため、降格で最後尾付近からのスタートとなった。カイル・ブッシュも降格された。これがなければ、ポールポジションがカイル・ブッシュ、予選2番はカート・ブッシュだったため、兄弟でのフロントローだった。

マット・ケンゼス (Matt Kenseth)の開幕三連勝
今回勝てば開幕三連勝達成のケンゼスは予選から不調で予選は不通過のため、オーナーズポイントでの本戦出場。車の調子はよくなかったようで、スタート後5周あたりでエンジントラブルでリタイアし、そのままトラックに車を積んで帰ってしまった。

トッド・ボダイン(Todd Bodine)
ボダイン三兄弟の末弟。三年ぶりの出場。トラックレースを中心に活動していて今回はスポンサーがついて予選から出られたのか出場。本業のトラックレースの方は通年スポンサーがなく苦境に立っているとの報道もあり、長年活動していたが今シーズンはどうなるのか、というところらしい。

ジョンソンのシリーズ4連勝について
「3年連続でも十分難しいのに、これが4年連続となるとさらに難しいとみんな思っている。しかし、取材は多くなっていて、時間を取ってもらうのも難しいこともある。今年の優勝は昨年9勝の実績からエドワーズが有力。人気はジュニアがNo.1だが実力がついてこない」天野氏。

ジョンソン不調
レースは序盤からジミー・ジョンソン (Jimmie Johnson)が常にトップ集団にいる。ここにカート・ブッシュ、ハービックなどもいる。
中盤のアンダーグリーンのピットインで、ジェフ・ゴードンがピットロード入口でピットインに失敗してスリップしながらまたコースに戻った。が、直後、このスリップでできたタイヤの傷が原因と思われるバーストでフロント部分を大破してしまう。同じタイミングのピットインでジョンソンはピットをオーバーランしてしまい時間をロスして順位を大きく下げた。「アンダーグリーンのピットインではだれかと一緒に入った方が空力的にいいので、ジョンソンが入るのを見たゴードンのクルーチーフが一緒に入れと急に指示したのではないか。ゴードンのようなベテランでも急に言われると減速が難しい。」天野氏。
ジョンソンは残り6周で単独スピンを喫し、24位。「一度のピットでのミスから何もかもがおかしくなった」天野氏。

カイル・ブッシュは最後尾から順位を上げていく。80周ごろにはピットに対して「自分の前にいる車は今のところみんな自分より速い」と文句を言っていたが、350周あたりになるとトップに出てきて他の車よりも安定して速い。「時間帯が夕暮れになって路面温度が下がったためによくなったのではないか。」天野氏。
このあたりになるとカイル・ブッシュに続いて、ラボンテ、ビッカーズ。

カイルはこの位置をキープして優勝。ボーヤーやバートンと抜きつ抜かれつして最後に抜き返して2位。

「ラボンテは今年はライドがないと言われていた。イェイツ(と提携したホールオブフェーム・レーシング (Hall of Fame Racing))に乗れることになり、ここまでやれているのはすごい。フォードの底上げが期待できる。」天野氏。